ECサイト運営で重要な指標となるのが「F2転換率」です。この指標を基準にECサイトを運営していくことで、安定したD2C事業が展開できます。このF2転換率とは何なのでしょうか?F2転換率を上げる理由は何なのでしょうか?そのような疑問を持った方向けに、この記事では「F2転換率」について分かりやすく解説します。
F2転換率とは

ECサイト運営の重要な指標として「F2転換率」があります。このF2転換率とは何なのでしょうか?まずは、F2転換率について分かりやすく解説します。
「F2転換率」とは
F2転換率とは、初回購入をした顧客のうち、どれぐらいの顧客が2回目の購入に至ったかを示す指標です。「F」とは「Frequency」の略称で購入頻度を意味します。「F2」は2度目の購入を意味しますが、購入回数に応じた「F3」「F4」などの指標もあります。
F2転換率の計算式
F2転換率は以下の計算式で求められます。
「F2転換率(%)=2回目の購入者/初回購入者」
例えば、化粧品サイトで100名の女性が初回購入して、70名の女性が2度目の購入に至った場合のF2転換率は70%です。
F2転換率の平均値・目安
ECサイト運営で重要な指標となるF2転換率の平均値は以下の通りです。
業界 | F2転換率 |
小売業界 | 30~40% |
アパレル | 約35% |
化粧品・健康食品 | 約50% |
電化製品 | 約30% |
F2転換率を計算する必要性

F2転換率の計算方法は理解して頂けたと思いますが、どうして、F2転換率を計算しなければいけないのでしょうか?次に、F2転換率を求める必要性について解説します。
顧客獲得コストの削減するため
マーケティング法則には「1:5の法則」が存在します。1:5の法則とは、新規顧客を獲得するためには、既存顧客の5倍のコストがかかるという法則です。
新規顧客を獲得するためには、認知度アップのために広告を打ち出さなければいけません。その一方で、既存顧客は商品の独自性や魅力を把握しているため、ファン化できれば、コストをかけずに商品をリピート購入してもらえます。そのため、既存顧客のリピート回数を増やしていけば、顧客獲得単価を下げることができるのです。
PDCAサイクルを回すため
ECサイト運営でもPlan(計画)Do(行動)Check(評価)Action(改善)をしていく必要があります。このようなPDCAサイクルを回すためには指標が必要です。このF2転換率を指標にすれば、F2転換率を上げるための施策で効果が得られたか、効果測定が行えるようになります。
顧客満足度を把握するため
商品のリピート率を上げるためには、競合商品よりも魅力的なサービスを提供して、顧客満足度を高めなければいけません。この顧客満足度を測定する指標としても、F2転換率を活用できます。F2転換率が低い場合は、競合商品より魅力が劣っている可能性があるため、商品開発を見直していかなければいけません。
F2転換率が下がる3つの原因

ECサイト運営では、F2転換率が下がることもあります。実際に、どのような場合にF2転換率が下がるのでしょうか?ここでは、F2転換率が下がる主な原因をご紹介します。
商品の魅力が低い
ECサイト運営で成功している企業は、ブランドロイヤリティ(ブランドに対する愛着)を高めることに成功しています。その一方で、F2転換率が低いECサイトでは、販売商品の魅力が低い傾向があります。そのため、競合商品を研究して魅力ある商品開発をしましょう。
また、商品品質は良いけれど、広告のイメージと実物に差があると顧客の不満が生まれやすくなるため、販売手法にも気をつけなければいけません。
初回購入後のフォローがない
商品購入者は商品だけではなく、サポート体制も整っているかを気にします。その商品がもたらす効果だけではなく、アフターサービスなどを含めた顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を求めているのです。
市場に商品が溢れるようになると、商品の価格や機能の良し悪しだけでの差別化ができません。アフターサービスなどを含めた顧客体験を提供する必要があります。しかし、F2転換率が低いECサイトでは、満足できる顧客体験を提供できていません。
信頼関係を構築する前のセールス
初回購入時に商品と合わせてキャンペーンチラシを同梱するのは良くありません。初回購入した顧客は、商品に対して期待と不安を寄せている段階です。商品を利用して魅力に気付いた場合は、キャンペーン情報は喜ばれるでしょう。
しかし、商品を使用した経験がない初回購入者にキャンペーンチラシを配布すると、押し売りのセールスのような印象を与えてしまいます。そのため、次回のキャンペーン情報を送るタイミングを良く考えなければいけません。
F2転換率を高める3つの施策

F2転換率を上げることで、健全なECサイト運営が行えます。実際に、F2転換率を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか?ここでは、F2転換率を上げるための対策方法をご紹介します。
1.アプローチはタイミングを計る
ECサイトで商品購入してくれた顧客に対するアプローチは欠かせません。キャンペーン情報などリピート購入を促進するDM・メールを送りましょう。しかし、アプローチする場合は適切なタイミングを考えることが大切です。
一般的に、2回目購入率は、初回購入から2ヵ月が経過すると低下すると言われています。そのため、2ヵ月以内にアプローチをしましょう。例えば、化粧品が使い終わる頃にアプローチをすると気が利くと顧客に喜ばれやすいです。
2.商品に付加価値を付ける
商品自体の魅力も大切ですが、顧客体験を求めている方が増えています。そのため、商品に付加価値を付けましょう。例えば、化粧品販売の場合は、商品自体をプッシュするだけではなく「肌タイプ診断」を提供するなどして、お客様と対話に重点を置くことで購入率を高めることができます。
3.フォローは欠かさずに行う
ECサイト運営の人手が足りなければ、顧客フォローまで手が回らないという問題が出てきます。しかし、F2転換率を上げたい場合は、顧客フォローは徹底的に行いましょう。
商品が手元に到着したかの確認、返品を希望される場合の連絡先、商品使用後のヒアリングなどのフォローをすることで、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を高めることができます。
F2転換率を上げた3つの成功した施策

実際に、高いF2転換率を実現しているECサイトでは、どのような取り組みがされているのでしょうか?ここでは、実際にF2転換率を上げた成功事例をご紹介します。
同梱物でプレミアム感を演出
高いF2転換率を誇るアパレル会社では、F2転換率を上げるために、新規購入者向けの同梱物にこだわっています。
まず、挨拶状で商品購入者に対してお礼を述べます。また、商品パンフレットで、購入商品を主役に引き立たせるのです。他にも、購入者の体験談で「洋服を着た未来の私」のイメージを抱かせる工夫や、使用方法の説明書などを同梱。
商品の効果が適切に伝われば、F2転換率を高めることができます。また、非売品のオリジナルグッズをプレゼントするなどの工夫がされているようです。
CRM(顧客管理システム)の活用
新規顧客に対するアプローチはタイミングに配慮する必要があります。また、フォローも適切なタイミングで行わなければいけません。
F2転換率が高いECサイトを運営する会社では、CRM(顧客管理システム)を活用して、ベストなタイミングを計測しています。商品購入日を入力すれば、フォローやアプローチを行うべきタイミングを知らせてくれるのです。CRMを活用して、きめ細かなフォローをしてF2転換率を上げているのです。
戦略的な商品開発
F2転換率を見込むための戦略的な商品開発に取り組む運営会社も多いです。使用期間が短くて購入頻度の高い商品や、季節に関わらず売上を期待できる商品を開発すれば、F2転換率が上がります。
F2転換率が高いアパレル会社では、日常的に使用する衣類の柔軟剤を自社開発。使用期間が短いオリジナルの日用品を開発してリピーターを増やしています。
まとめ
ECサイト運営では、F2転換率が重要な指標となります。F2転換率を把握することで、ECサイト運営が上手くいっているかどうかを確かめられます。そのため、自社で運営しているECサイトのF2転換率を計算してみてください。
また、F2転換率は、さまざまな施策で上げていくことができます。この記事では、F2転換率を上げる方法をご紹介したので、ぜひ、参考にしてみてください。